鋳造に用いられる主な金属と、その特徴

2022/02/14

鋳造金属

金属には耐久性・軽さ・強度などその種類ごとに様々な特徴があります。また、単独ではさほど特徴がなくても、合金化することで全く性質を変えるものも少なくありません。

 

高温で溶けさえすれば加工が可能な鋳造は、それら金属や合金の性質がそのまま生かせます。そのため、実に多くの金属や合金が鋳造に使われます。表に採り上げたのは、それらの中で代表的なものです。

 

作りたいものの特徴に合わせて選択する必要があります。

 

①=組成 ②=金属としての特徴 ③=鋳造上の特徴 ④=鋳造製品の用途

鉄(鋳鉄) 鉄をメインに、2〜5パーセント程度の炭素、さらにケイ素・マンガンを混ぜたものは、「鋳鉄」と呼んで特によく鋳造に使われます。
融点は1,200度程度で、純度の高い鉄に比べて300度ほども下がります。しかも液体になったときの流動性もよく、鋳型の隅々にまで行き渡らせることも簡単です。
粘り気がないため、打撃などの衝撃には比較的簡単に割れたり欠けたりします。半面、耐摩耗性には優れています。
自動車部品に多く使われています。ざっと挙げるだけでも、シリンダーブロック、カムシャフト、ブレーキローター、シートのスプリングなどがあります。
鋼(鋳鋼) 鋳鉄に比べ、配合する炭素の量を減らしたものです。また、マンガン,クロム,モリブデンなどを加えて、耐摩耗性などを上げたものは、特殊鋳鋼といいます。
性質は鋳鉄と対称的です。融点は高く、溶けたときの流動性はあまりありません。耐衝撃性は優れています。
溶解温度が高いだけではなく、凝固後の体積収縮が大きいために、従来は鋳造には使いにくい合金と考えられていました。しかし、技術の向上で、これらの欠点も克服されつつあります。
鋳鉄では強度が不足する製品に用いられます。ブレーキシュー、キャタピラ、歯車、鉄道連結器などです。
銅合金 アルミに次いでよく合金化して使われているのが、銅です。スズを加えたものが「青銅」で、古代からよく鋳造に用いられてきました。さらに亜鉛を加えると、「砲金」となります。
純粋の銅やその合金はよく電気を通すので、電線の材料としておなじみです。一般的な機械部品の使われる青銅は、スズを10パーセント前後含んだものです。また、軸受けにはさらにスズの配分を増やして、耐食性を高めたものがよく使われます。砲金も耐食性・耐摩耗性の高さで知られています。
融点が高い合金が多く、金属製の鋳型(金型)は使えません。ほとんどが砂などを固めたものか、石こうなどで作ったものです。
工業部品ではバルブ、歯車、継ぎ手などです。銅像や釣り鐘などは昔から今に至るまで、銅合金を使った鋳造です。
アルミ合金 特に鋳造用ということでは、ケイ素やマグネシウムを加えて、液体化したときの流動性を高めています。とはいえ、ほかの性質を重視し、鋳造での難しさはそのままにして使うことも珍しくありません。
資源枯渇の心配がないぐらい豊富にあることと、合金化すれば性質が様々に変わることなどがアルミの特徴です。そのため、鋳造によるものに限らず、様々な部品の素材になっています。
組み合わせ次第で、融点や液体化したときの流動性などの性質が大きく変わります。そのため、鋳造でもダイカスト用・金型鋳造用といった工夫もできます。
シリンダーヘッドやトランスミッションといった自動車部品から、門扉やガーデンチェアなど家庭のエステリアとしてもおなじみです。
チタン合金 アルミ、モリブデン、鉄などと合金化します。
人間の体内などに使っても金属アレルギーが起きるリスクが小さいことや、耐腐食性が高いこと、軽い上に強度があることなどから、様々な分野での利用が期待されています。ただ、鋳造に限らず加工が難しいことと、チタンそのものの材料価格が高いことがネックになっています。

鋳造の際にも、鋳巣(ガスなどが残って内部にできた空洞)のできやすい金属です。そのため、装置自体を真空状態にするなど、ほかの金属にはない特別な工夫もされています。
耐久性の高さと金属アレルギーが起きにくいことから、ペースメーカーや人工関節ではなくてはなりません。ゴルフクラブのヘッドはよく見かける鋳造による製品のひとつです。

マグネシウム合金  

アルミや亜鉛などを加えて合金化します。また、これら合金には、鋳造のままで引っ張り強度などは低いものの、熱処理をすると大幅に改善する特徴があります。
鉄の4分の1、アルミニウムの3分の2と実用的な金属の中で、もっとも比重が軽いのがマグネシウムです。ただし、材料価格は鉄の約6倍、アルミの約2倍と高いのがネックです。
高温にして溶かしたマグネシウム合金はきわめて高い活性を持っています言い換えると、「燃えやすい」ということです。そのため、鋳造の作業中は大気から遮断する必要があります。
カメラ・ビデオカメラ、ノートパソコン、スマホなどでは、その筐体としてよく使われています。

 

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